
同じスズキの車ですが、大きさは軽自動車で形もSUVとよく似ているジムニーとハスラー。
ゴツいジムニーとキュートなハスラーという違いはありますが、価格、大きさ、燃費などいろいろな角度から比較してみます。どっちを選ぶ?
新型ジムニーVSハスラー、価格で比べると?
2014年に発売されて、大ヒットしたスズキの軽SUVハスラー。
4年経って現状ではモデルチェンジを受けていませんが、人気車種であることには変わりありません。
一方のジムニーは今年の7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型の軽SUV。
発売されてからすでに納期は半年とも1年とも言われるほどの大ヒット車になっています。
同じメーカーで同じ軽自動車ですが、方向性はだいぶ違います。
ハスラーはSUVの形ではありますが、FFの2輪駆動で、オフローダーというよりは街乗りを念頭に考えられた車です。
ジムニーは初代の発売からブレることなく4WDのオフロード車で、街乗りよりはどんな道でも走れるタフさを持った車です。
そんな似て非なる両車ですが、まず価格で比較してみましょう。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/
まず、ジムニーですが「XG」「XL」「XC」の3グレード用意されています。それぞれにAT車とMT車が設定されており、価格は以下の通りです。
・XG
AT車 155万8000円
MT車 145万8000円
・XL
AT車 167万9400円
MT車 158万2200円
・XC
AT車 184万1400円
MT車 174万4200円
最廉価グレードのXGでMT車を選べば、車体本体価格約146万円から乗れますが、最上位グレードのXCでAT車を選ぶと車体本体価格約184万円と、だいだい40万円ほどの差があります。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/hustler/styling/
一方のハスラーですが、「A」と「G」「Gターボ」「X」「Xターボ」の5グレードあり、さらに「G」と「X」のそれぞれに2トーンルーフという車体と屋根の色違い仕様車が用意されています。
さらに「A」と「G」に関してはMT車の設定があるほか、全グレードで2WDと4WDの2種類が選べるようになっています。ハスラーの各グレードごとの価格を見てみましょう。
・A
MT 2WD車 110万0520円
4WD車 122万1480円
CVT 2WD車 110万0520円
4WD車 122万1480円
駆動方式では12万円ほど差がありますが、MTとCVTは価格が同じです。
・G
MT 2WD車 118万3680円
4WD車 129万9240円
CVT 2WD車 127万3320円
4WD車 139万9680円
2トーンルーフ MT 2WD車 122万6880円
4WD車 134万2440円
CVT 2WD車 131万6520円
4WD車 144万2880円
・Gターボ
2WD車 135万9720円
4WD車 148万6080円
2トーンルーフ 2WD車 140万2920円
4WD車 152万9280円
「Gターボ」にはMT車の設定がないので、一概に比較できませんが、2WDで最下位から最上位モデルまで22万円差、4WDで23万円の差があります。
ここに選択肢を多くしているので、メーカーもこのグレードに力を入れていることがわかります。
・X
2WD車 146万4440円
4WD車 158万7600円
2トーンルーフ 2WD車 150万4440円
4WD車 163万0800円
・Xターボ
2WD車 154万7640円
4WD車 167万4000円
2トーンルーフ 2WD車 159万0840円
4WD車 171万7200円
最上位グレードなのである程度価格が高めなのは当然ですが、「G」と比べると20万円弱の価格差があります。
ジムニーはグレードが単純でわかりやすいですが、ハスラーはグレードも多く、設定もバラエティに富んでいます。
価格帯で考えると、ジムニーはハスラーの最上位グレードになる「X」とほぼ同じ価格帯に設定されています。
ATとCVTの差はありますが、同じものとみなして比べた場合、ジムニーの方が13万円弱高い価格設定になっています。
新型ジムニーVSハスラー、大きさで比べると?
ジムニーもハスラーも同じ軽自動車なので、大きさ自体は現行の軽自動車規格(全長3.40m以下、全高2.00m以下、全幅1.48m以下)に収まるサイズになっています。
ですので、車自体の大きさに大きな差はありません。
ちなみに、ジムニーだと全長3.395m、全高1.725m、全幅1.475mで、ハスラーは全長3.395m、全高1.665m、全幅1.475mとなっており、ハスラーの方が10cm弱低い形になっています。
ただし、前輪から後輪までの長さを示すホイールベースは、ジムニーが2.250mなのに対して、ハスラーは2.425mと20cmほどハスラーの方が長くなっています。
これは取り回しに影響が出る数値で、最小回転半径がジムニーが4.8mなのに対して、ハスラーは4.6mとハスラーの方がわずかですが小回りが利く仕様になっています。
また、ホイールベースが長いと室内空間の大きさにも影響します。
ジムニーの室内寸法は、長さ1.795m、幅1.300m、高さ1.200mなのに対して、ハスラーは長さ2.160m、幅1.295m、高さ1.250mと室内長が約40cmも違い、ハスラーの方がだいぶ広くなっています。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/interior/
ジムニーはオフロード走行を重視した車で、ユーザーもそういったところへ走りにいくことを考えて選びます。
性能特化型でエッジの立った設計になっていると考えられます。
その点、ハスラーは見た目こそSUVですが、街乗りが中心で普通の軽自動車と使われ方も変わらないので汎用性の高い設計になっていると考えられます。
ですから、室内空間も広く取って居住性を上げる必要があったわけです。
ハスラーの方が小回りが利くのも、街中でキビキビ走るために必要な性能だったと言えます。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/hustler/interior/
ということで、外寸では同じ軽自動車なので大差ない数値ですが、外寸以外のところでいろいろ差があることがおわかりいただけたかと思います。
新型ジムニーVSハスラー、燃費で比べると?
最後にジムニーとハスラーの燃費について見ていくことにします。
一般論ですが、最近の軽自動車はどの車も燃費が非常に良くなっており、カタログスペックではリッター30kmを超える車もあるくらいです。
カタログスペックであれば、平均して20km台後半から30km前後は走るとされている車が多くなっています。
出典:https://oki-navi.jp/detail.html&id=338
そこでジムニーとハスラーの燃費の比較です。
まず、ジムニーですが全グレード共通で、MT車がリッター16.5km、AT車がリッター13.2kmとなっています。
この数字はすべての軽自動車の中でも極めて低い数字で、2リッター以上ある排気量の普通車並みの数字です。
カタログスペックでこの数字なので、実走するとさらに燃費は落ちます。
もっとも、ジムニーの場合は全グレード全車種がフルタイム4WDで、なおかつターボ車になっているので、燃費が良くなる要素がないということもあります。
対してハスラーはどうかというと、ターボの2WDでリッター27.8km、4WDでリッター26.2km。
ターボなしのCVT 2WD車でリッター32.0km、CVT 4WD車でリッター30.4kmとジムニーとは雲泥の差があります。

出典:http://www.afprojectvisions.com/hustler/energy.html
同じターボ車で比較してもリッターで10km違うので、実走した場合でも相当差を感じる数値です。
ハスラーの場合は、競合車が多数あるのでそれを意識しているのもあるでしょうが、燃費向上対策が多数とられています。
ハイブリッドシステムをはじめ、アイドリングストップやCVTの採用などがそれに当たります。
ということで、ジムニーとハスラーを燃費で比較すると、断然ハスラーが有利です。
ジムニーを選ぶのであれば、相応の燃費の悪さを覚悟して乗らなければなりません。
新型ジムニーとハスラーどっちを選ぶ? まとめ
ここまで、ジムニーとハスラーの価格や大きさ、燃費について比較して見てきました。
いわゆる軽自動車に乗りたくて、街乗りが中心、室内が広くて燃費がいい車に乗りたいということであれば、迷わずハスラーを選びましょう。
ハスラーは見た目こそSUVですが、中身は一般的な軽自動車と同じで、街乗りにもぴったりな性能を持っています。
燃費についても、かなり優秀な数字だと言っていいでしょう。
ランニングコストを考えつつ、乗り心地が良くて、見た目がちょっとオシャレということであればもってこいの車種です。
逆に、街乗りもするし、普段の足でも使うけどオフロードで走りたいという人であれば、ジムニー一択です。
ジムニー以上にオフロード性能を持っている軽自動車はないですし、ハスラーと違って、数多くの軽自動車と勝負するために作られた車ではありません。
ジムニーとハスラー、どちらが優れているということではなく、自分の使い方に合わせて選ぶことが重要だと言えます。