
軽自動車のオフロード車として唯一無二の存在となっているジムニー。
以前は競合車として三菱からパジェロミニという軽自動車が販売されていました。
ジムニーとパジェロミニ、価格や大きさ、燃費などから比較してみましょう。
目次
新型ジムニーVSパジェロミニ、価格で比べるとどっちがいい?
本格的なオフロード車で、1990年台に大ヒットしたのが三菱のパジェロです。
現行型は4代目にあたり、2006年に登場しています。
このパジェロをサイズダウンし、軽自動車として販売されていたのがパジェロミニになります。
1994年に登場し、1998年にフルモデルチェンジされていますが、2012年に生産が中止されました。
2016年あたりまでは流通在庫があったようですが、現在では中古車でしか入手できません。
駆動方式はFRの2WDとパートタイム4WDの2種類が用意され、オフロードはもちろんですが、オンロードでの走りも重視された車になっていました。
ジムニーはスズキを代表するオフロード車で、スズキには大型車がないので、軽自動車のジムニーと普通車のジムニーシエラの2車種のみあります。
どちらも7月に20年ぶりのフルモデルチェンジを受け、安全装備なども強化されるなど、現在のニーズにマッチした車に生まれ変わりました。
すでに納期は半年とも1年とも言われるほどの大ヒット車になっています。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/styling/
かたや最新のオフロード軽自動車で、かたや中古しか存在しないオフロード軽自動車ということで、価格的に比較するのは難しいところがありますが、見ていくことにしましょう。
まず、ジムニーですが、当然新車が買えます。
ただ、上でも触れた通り、納期が長くなっているのが難点でしょう。
ジムニーには「XG」「XL」「XC」の3グレード用意されています。
それぞれにAT車とMT車が設定されており、価格は以下の通りです。
・XG
AT車 155万8000円
MT車 145万8000円
・XL
AT車 167万9400円
MT車 158万2200円
・XC
AT車 184万1400円
MT車 174万4200円
最廉価グレードのXGでMT車を選べば、車体本体価格約146万円から乗れますが、最上位グレードのXCでAT車を選ぶと車体本体価格約184万円と、だいだい40万円ほどの差があります。
当然、装備や内装・外装に差があるので、その辺を加味して選ぶ必要があります。

出典:https://www.webcg.net/articles/gallery/2838
一方のパジェロミニですが、新車当時はいくつかグレードが存在していましたが、中古車しか入手できない今となってはグレードの差にあまり意味がありません。
グレードも考慮はされますが、基本的には年式と装備品や状態などで区分されてしまいます。
2012年に生産自体は終了していますが、登録が翌年まであったようで2013年式が一番高年式なタイプになります。
2013年式だと99.9万円〜131.7万円程度、2012年式で105万円〜119.9万円くらいが相場になっています(価格com調べ)。
2013年式の131万円という価格は正直なところ、破格の値段で走行距離が7000kmしかない上に来年まで車検が残っているという条件の良さで高値がついています。
現実的な値段であれば、120万円前後といったところだと考えられます。
以下、年式が落ちていけば落ちていくほど価格は下がっていきます。
単純な値段の比較で言うなら、圧倒的にパジェロミニの方が上です。
最高年式の2013年式でも140万を超える車はさすがにありません。
その代わり、すべてが中古車になります。
中古車に120万円払うなら、あともう30万円くらい足して新車を買うという選択肢が出てくるでしょう。
そうなるとジムニーの方が選択肢として現実的になってきます。
ただ、ジムニーも軽自動車の中では比較的高い車なので、その辺の兼ね合いは出てくるでしょう。
新型ジムニーVSパジェロミニ、大きさで比べたらどっちがいい?
ジムニーもパジェロミニも同じ軽自動車なので、大きさ自体は現行の軽自動車規格(全長3.40m以下、全高2.00m以下、全幅1.48m以下)に収まるサイズになっています。
ただし、1994年から販売が始まったパジェロミニについては、初代は現行規格より若干小さいサイズになっています。
ここでは、1998年以降の2代目との比較をしていきます。
ジムニーは全長3.395m、全高1.725m、全幅1.475mで、長さと幅は現行規格ほぼいっぱいいっぱいに使っています。
一方、パジェロミニですが、全長3.395m、全高1.665m、全幅1.475mとなっており、ジムニーと比べるとパジェロミニの方が10cm弱低い形になっています。
また、前輪から後輪までの長さを示すホイールベースですが、ジムニーが2.250mなのに対して、ハスラーは2.280mと3cmほどパジェロミニの方が長くなっています。
これは誤差と呼べる範囲で、ジムニーもパジェロミニもオフロードで走ることを前提に作られていることがよくわかります。

出典:http://catalog.carsensorlab.net/mitsubishi/pajero_mini/f002/m005/g009/
では、室内寸法はどうなっているでしょうか。
ジムニーの室内寸法は、長さ1.795m、幅1.300m、高さ1.200mなのに対して、パジェロミニは長さ1.665m、幅1.220m、高さ1.210mと、長さと幅で約10cmほどパジェロミニが狭くなっています。
同じオフローダーではありますが、2018年に設計された、今のニーズを取り込んだ車と20年前の1998年に設計された車では、居住空間の作り方や考え方に差が出るのは仕方ないところでしょう。

出典:http://www.suzuki.co.jp/car/jimny/interior/
ということで、外寸では同じ軽自動車なので大差ない数値ですが、室内寸法に関しては年代の差が出ていることがわかると思います。
新型ジムニーVSパジェロミニ、燃費で比べたらどっちがいい?
最後にジムニーとパジェロミニの燃費について見ていくことにします。
最近の軽自動車の燃費の良さはみなさんご存じの通りです。
カタログスペックながらも、リッター30kmオーバーという車も珍しくありません。
そのくらい軽自動車の燃費は良くなっているのです。
では、2代目パジェロミニが販売されていた1998年から2012年くらいの軽自動車の燃費はどのくらいだったのでしょうか。
よく走る車でリッター22〜25kmくらい、平均してリッター16〜19kmくらいでした(e燃費調べ)。
当然、98年に近づけば近づくほど燃費は悪くなります。
2012年あたりだと「今の基準で」ちょっと燃費が悪いかな、というくらいがよく走る車だったのです。
それではジムニーとパジェロミニの燃費を比較してみましょう。
まず、ジムニーですが全グレード共通で、MT車がリッター16.5km、AT車がリッター13.2kmとなっています。
この数字は2018年現在のすべての軽自動車の中でも極めて低い数字で、2リッター以上ある排気量の普通車並みの数字です。
カタログスペックでこの数字なので、実走するとさらに燃費は落ちます。
では、2012年型の4WDのAT車パジェロミニの燃費はどのくらいだったのかというと、リッター13.8kmです。
2012年当時でもこの数字は決していい数字ではなく、オフロード車ということで燃費はあまり考慮されていなかったフシがあります。
さらに現時点では中古車しかないので、最高年式の2013年式でもすでに5年落ち。
当然、エンジンもだいぶヤレてきているはずなので、燃費は当時の実走よりさらに悪くなっていると考えられます。
ということで、2018年式のジムニーAT車と2012年式のパジェロミニではスペック上、ほぼ同等の燃費でした。
ただし、実走すればパジェロミニの方がより悪い燃費になることは間違いありません。
新型ジムニーとパジェロミニ、ここまで見てきてどっちがいい? まとめ
ここまで、ジムニーとパジェロミニの価格や大きさ、燃費について比較して見てきました。
とにかく乗るなら新車、という人であればジムニー一択になります。
価格で言うなら中古車しかないパジェロミニの方が有利ですが、その分使い込まれているので、後々のメンテナンスなどを考えるとパジェロミニは選びにくいでしょう。
また、室内空間も10cm狭くなるので、ジムニーの方が体感で広く感じるはずです。
オフロードであればとにかく、オンロードでも乗ることを考えると室内空間の広さは重要なファクターです。
例えば、今乗っている車がパジェロで、足代わりにもう1台使いたいという人であれば、同じパジェロの軽自動車ということで、パジェロミニを選ぶというのはアリでしょう。
あるいはジムニーはみんな乗ってるから、別のオフローダーがいいという人はパジェロミニが選択肢になるはずです。